本企画展は2024年5月から6月にかけて、パリ日本文化会館で行われた「丹下健三と隈研吾展」を国立代々木競技場と国立競技場についてフォーカスを当て再編集し、開催されます。
二つの国立競技場は異なる時代背景の中で建設され、開催された競技も異なりますが、「ランドスケープ、線、軒、アーチ効果」という四つのキーワードを通じて、戦後日本の近代建築の特徴を体感いただけます。
特に、石元泰博(故・日本デザインコミッティーメンバー)と瀧本幹也のモノクロ写真を対比することで、二人の建築家の共通点や違いを知る手がかりを見つけられることでしょう。
開催概要
- 会期:
- 2024年12月27日(金) ─ 2月17日(月)
- 会場:
- 松屋銀座7階デザインギャラリー1953 東京都中央区銀座3-6-1
■入場無料
■営業日・営業時間の詳細は、松屋ウェブサイトをご覧ください。www.matsuya.com
最終日午後5 時閉場
- 主催:
- 日本デザインコミッティー
- 共催:
- (一社)国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会
- 助成:
-
- (株)大林組
- 清水建設(株)
- 大成建設(株)
- 前田建設工業(株)
- (株)梓設計
- 特別協力:
- 代官山ヒルサイドテラス
- 協力:
-
- 高知県立美術館 石元泰博フォトセンター
- 瀧本幹也写真事務所
- 幕田早紀(千葉大学)
- キュレーター:
- 豊川斎赫
1964年と2020年の東京五輪とその競技場の建築は、国情を反映するものとして対比的に語られる。モダニズムの目で被写体を見る石元泰博と、カメラの進化とともに現代性を更新し続ける瀧本幹也の写真は、日本の移ろいを象徴的に担う二人の建築家の仕事を見事にとらえていて興味深い。
展覧会担当 原研哉
■お問合せ
日本デザインコミッティー事務局
Email: info@designcommittee.jp https://designcommittee.jp
日本デザインコミッティ―とは https://designcommittee.jp
1955年に東京で「グッド・デザインの啓蒙」を目的に設立。さまざまな領域・立場の人々が集まり、ボランティアで活動を継続しているデザイン組織。
創立メンバーには、丹下健三、清家清、吉阪隆正、坂倉準三、前川國男(以上建築家)、柳宗理(インダストリアルデザイナー)、岡本太郎(造形家)、石元泰博(写真家)など。
関連イベント
会場:代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドプラザ
https://hillsideterrace.com/
※入場無料・要事前申込・各日100名
戦後日本のデザインの啓蒙を目的に創立された「国際デザインコミッティー」(現・日本デザインコミッティー)。創立メンバーには建築家の丹下健三や清家清、吉阪隆正、デザイナーの亀倉雄策や写真家の石元泰博がいました。時代をリードする多彩なジャンルのメンバーがデザインを通じた国際交流と普及を目指し活躍した時代がありました。そして現在、デザイン・建築・写真・アートの垣根をこえて活躍する方々に、それぞれの思いを語っていただきます。
第1回 2025年1月18日(土) 13:30-15:30
「石元泰博と丹下健三」 瀧本幹也 × 幅 允孝
モデレーター:金 秋雨
第2回 2025年1月25日 (土) 15:00-17:00
「亀倉雄策と丹下健三」 原 研哉 × 隈 研吾
モデレーター:角尾 舞
■お問合せ
一般社団法人国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会
Email: info@gysc.or.jp
プロフィール
●第1回
-
瀧本幹也 Mikiya Takimoto / 写真家
1974年生。ポートレイト、静物など、さまざまな被写体と向き合う。
そうした豊富な経験と卓越した技術のもと、独自の視点で捉えられる建築写真は高い評価を得る。代表作に、ドイツの造形学校バウハウスを構成的にとらえた『BAUHAUS DESSAU ∴ MIKIYA TAKIMOTO』(2005)や、『Le Corbusier』(2017)『LAND SPACE』(2013)などがある。最近の展覧会に「隈研吾展」(東京国立近代美術館、東京、2021)、『CHAOS 2023』(OGATA Paris、パリ)、『丹下健三と隈研吾』展(パリ日本文化会館、2024)、『LUMIÈRE / PRIÈRE』(ヒルサイドフォーラム、東京、2024)などがある。 -
幅允孝 Yoshitaka Haba / ブックディレクター
有限会社BACH(バッハ)代表取締役。
人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテルなど様々な場所でライブラリーを制作。時間の奪いあいが激しい中で本を手に取りたくなる環境とモチベーションをつくることを心掛けている。安藤忠雄氏の建築による『こども本の森中之島』ではクリエイティブ・ディレクションを担当。最近の仕事として「ミライエ長岡 互尊文庫」や「早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)」での選書・配架、ロンドン・サンパウロ・ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛ける。 またNHKで放送された『理想的本箱 君だけのブックガイド』では「理想的本箱」選書家として出演。京都「鈍考/喫茶 芳」主宰。
-
金 秋雨 Qiuyu Jin
キュレーター。研究者。実験映像プラットフォームnon-syntax主宰。
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。日本大学芸術学部美術学科助教。主なキュレーションとして「Not in this Image」展 (Kuandu Museum of Fine Arts, Taipei)、EXiS 2023 (Experimental Film and Video Festival) Asia forum、芸術祭「Sense Island 2022/2024」 (Kanagawa)、「Competitive Meditation」展 (PARCEL,Tokyo) などがある。
●第2回
-
隈研吾 Kengo Kuma / 建築家
1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。50を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『隈研吾 オノマトペ 建築 接地性』(エクスナレッジ)、『日本の建築』(岩波新書)、『全仕事』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。(一社)国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会代表理事。 -
原研哉 Kenya Hara / グラフィックデザイナー
1958年生。日本デザインセンター代表取締役社長。武蔵野美術大学教授。
世界各地を巡回し、広く影響を与えた「RE-DESIGN:日常の21世紀」展をはじめ、「HAPTIC」「SENSEWARE」「Ex-formation」など既存の価値観を更新するキーワードを擁する展覧会や教育活動を展開。2002年より無印良品のアートディレクター。松屋銀座、森ビル、蔦屋書店、GINZA SIX、MIKIMOTO、ヤマト運輸のVIデザインなど、活動領域は極めて広い。「JAPAN HOUSE」では総合プロデューサーを務め、日本への興味を喚起する仕事に注力している。2019年7月にウェブサイト「低空飛行」を立ち上げ、個人の視点から、高解像度な日本紹介を始め、観光分野に新たなアプローチを試みている。 -
角尾 舞 Mai Tsunoo / デザインライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒業後、メーカー勤務を経て、2012年から16年までデザインエンジニアの山中俊治氏のアシスタントを務める。現在はフリーランスとして活動中。デザインの視点から 、記事執筆や展覧会の構成、コピーライティングなどを手がけている。
主な仕事に東京大学生産技術研究所70周年記念展示「もしかする未来 工学×デザイン」(国立新美術館、2018年)の構成、企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」(21_21 DESIGN SIGHT、2024年)の企画協力/テキスト執筆など。